対物賠償保険の限度額無制限は損?
任意自動車保険会社のテレビCMでよく、対人対物無制限でこの価格〜・・・って流れてますよね。
この対人対物賠償無制限は妥当なのでしょうか。
交通事故の相手に何等か怪我を負わせてしまい後遺障害が残ってしまったり、亡くなったりした場合も考えると、交通事故の相手の怪我の補償をする対人賠償保険の限度額無制限は納得できますね。
しかし、対物賠償保険の限度額無制限は本当に適切なのでしょうか。
対物賠償保険は必ず無制限である必要はない
ご自身の住んでいる場所と使用範囲から対物賠償保険の限度額を検討してみましょう。
例えば、東京の都心部近辺に居住し毎日都心部まで通勤している人なら間違いなく対物賠償保険は無制限がいいでしょう。
毎日の通勤経路には恐らく無数の建物群に無数の自動車やバイクが走り、その中には高級車も複数見られるはずです。
交通量が多いところでは二次衝突の可能性もありますから、単純に1対1の交通事故というわけにはいかないかも知れません。
では逆に田舎の農村地ならどうでしょうか。
通勤と言っても近くの畑に行くだけで、家屋もまばらな道中は田んぼと畑だけで、自動車もほとんど通らないし、まして高級車なんてもってのほか。
この状況下なら対物賠償保険無制限は少し大袈裟のように感じますし、ひょっとしたら500万円までの対物賠償保険限度額でもいいのかも知れません。
ご自身の使用用途や使用環境で、もし交通事故に遭遇した際、何に対してどれくらい賠償する可能性があるのかを検討すると、対物賠償保険の限度額の適正金額が見えてくると思います。
実際の交通事故での賠償額から考察する
実際に任意自動車保険会社は、対物賠償保険を保険金としていくら支払っているのでしょうか。
それは損害保険料率算出機構のサイトで確認することができます。
損害保険料率算出機構による対物賠償をする上での認定金額、2016年度の統計は、301,278円でした。
この301,278円の内訳は下記の通りです。
なお過失割合のある交通事故の場合は、自身の過失割合を相手の損害認定金額に乗じた金額を支払うことになります。
(仮に自身の過失割合が80%の場合、301,278円×80%=241,022円を相手に支払うことになります。)
修理費費用目 | 認定損害額単価 | 構成比 | |
対物賠償 | 部品費 | 127,423円 | 42.3% |
工賃費 | 58,240円 | 19.3% | |
塗装費 | 51,474円 | 17.1% | |
間接損害 | 45,056円 | 15.0% | |
その他 | 19,085円 | 6.3% | |
合計 | 301,278円 | 100% |
※参考 損害保険料率算出機構
あくまで統計ですから、中には1,000万円支払っている案件もあるでしょうし、50,000円だけしか支払っていない案件もあると思います。
また、突出して高額な損害金額を認定された過去の判例も掲載されていました。
認定総損害金額 | 裁判所 | 判決年月日 | 被害物件 |
1億1,798万円 | 大阪地裁 | 平成23年12月7日 | トレーラー |
2,221万円 | 東京地裁 | 平成23年11月25日 | ペットショップ |
4,141万円 | 大阪地裁 | 平成20年5月14日 | 積荷 |
3,391万円 | 名古屋地裁 | 平成16年1月16日 | 大型貨物車、積荷 |
3,156万円 | 東京地裁 | 平成13年12月25日 | 4階建ビル |
※参考 損害保険料率算出機構
みんなの対物賠償保険の限度額はどうなの?
対物賠償保険の限度額他の人はどうしているのか。
結局のところ、他の人がどうしているかとても気になるところですね。
下のグラフは対物賠償保険の限度額についての2017年度の統計です。
※参考 損害保険料率算出機構
結局のところ、大多数が対物賠償保険の限度額は無制限で設定しています。
しかし、ご自身の住環境、マイカーの使用用途を考慮して対物賠償保険の限度額は検討する余地はあると思います。
あとはご自身の任意自動車保険会社で対物賠償保険の限度額を無制限以外にするといくら保険料金が安くなるのか、一度見積もりをしてみてから最終的な判断を下すのが望ましいですね。
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なんと最安値保険料と最高値保険料の差額が71,070円でした。
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